始業前の清掃はWorking hoursか

私の住む町のある自動車ディーラーさんですが、いつも8時から9時ころにかけて、大勢の社員の方が営業所周辺の通りなどを清掃されています。ごみやチリの清掃はもちろん、夏季は雑草の始末までしていただき、周辺に住むものにとっては大変ありがたいことで、社員の方もきっと誇りを持って清掃をされているものと思います。

さて、この始業前の清掃ですが、労働法的に見るといささか、議論の種を提供してくれます。
もちろん、会社がこの時間もWorking hoursとして賃金を払っていればまったく問題がないのですが、もし、これが始業時間前の活動であり、賃金が支払われていなかったとすると、問題があります。
もしこの清掃が、会社の業務命令として指揮命令下において行われているならばもちろんこれはWorking hoursとなり賃金支払いの義務が生じます。  これがまったく社員の自発的意思でやっているのならどうでしょうか。もしそうなら、Working hoursとしてカウントしなくて良い場合もあるでしょうが、あれだけ組織的にされている様子を見ると、おそらく何らかの指揮命令はされているものととられるのが自然でしょう。清掃に参加しないことによって何らかの不利益が予想される場合はますますWorking hoursとしてカウントすべきとされるはずです。  

ある会社で、「最高の社員教育はトイレ掃除をさせることだ」というところがありましたが、私自身個人的には掃除をさせることは賛成で、物をきれいにすることが製品の品質管理の向上につながり、社員も会社も気持ちが良くなり、会社も結果的に伸びることは明白です。

「始業前の清掃」は経営者にとっては、「直接」利益には結びつかないので、賃金を(少なくとも本来の労働と同じ賃金を)払うことにはいささかの抵抗があるかもしれません。
しかし、現行の労働法は、「使用者の指揮命令下にある状態」では労働の質や中身にかかわりなく、同じ額の賃金を払わねばなりません。 厳しいですがこれが現実です。



始業前の清掃はWorking hoursか」への1件のフィードバック

  1. 橋本 返信

    その通りです。
    僕の会社でも製造業ですが、始業前の掃除と用意など、やってる人がいます。昼休みも用意など有ります。勤務時間は、機械を回すだけにしたいらしく、また、生産量に応じて、お金がもらえるというのも有りますが、始業前の掃除したくない人もいるので、少し問題が有ります。始業前の掃除と用意や、昼休みの用意など、勤務時間にやるべきじゃないでしょうか?   帰りは掃除して帰ります。

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