昨年の今頃にも触れましたが、サマータイムの実験的取り組みが今年も北海道を中心に進められており、まずまずの成功をおさめているそうです。
筆者はこの制度に賛成するものですが、どうもわが国全体としては国民の関心は今ひとつといったところがあります。 人間というものは、もともと、時計のなかった時代には、日の出とともに活動を開始し、日没とともに活動を停止するというのがきわめて自然の摂理にかなったものであったはずです。四季の変化がはっきりしているわが国ではなおさら、夏と冬で生活時間(Working hoursでもある)をその季節に見合ったものにすることは、まったく理にかなったことであると思います。
しかし、ここでも「残業」の話題が登場します。
サマータイムを実施することに対する大きな異論のひとつが、「就業時間が早く
なっても、それだけ残業する人が増えるだろう」というものです。たしかにホワイトカラーの残業規制がなくなったりするといっそうこの傾向は顕著になるかもしれません。
いまや、「残業へのロックイン」がどうしようもなく進んでしまっているのです。ロックインというのは、簡単に言うとある程度の多数の行動や考え方が、大多数のそれを支配してしまうことなのですが、「残業は悪いことではない」という感覚が、ある労働者層には支配的になってしまっているのです。
このロックインをはずすことは容易ではありません。わが国で「残業は悪である」という感覚が支配的にならない限りサマータイムの実現もむづかしいのかもしれません。
筆者サイト http://www.Tetsuro Kurata.com/