昨日(10月5日)久々に労働政策審議会労働条件部会を傍聴いたしました。
同分科会は9月以降、急ピッチで開催されており、行政側の意気込みが伺えますが、労使の歩みよりはまだまだといった印象で、新しいWorking hours法制の前途はいまだ不透明なものがあります。
昨日話題になったのは、長時間労働の問題と、残業割増率の関係及び年次休暇を時間単位で与えることができるという変更案です。
残業割増率の話は以前にも触れたことがありますが、わが国の25%という比較的低水準な率を一挙に50%に引き上げようというもので、もちろん労働側は歓迎していますが、使用者側は、これが長時間労働の抑制につながるかは疑問との理由で反対しています。まあ、これは国会の議決は必要ないので政府の決断でできるわけですが、そう簡単にはいかないと思われます。
いずれにしても残業割増率が50%になると、深夜残業は75%、休日深夜残業になると85%の割増となり、使用者にとっては新しく人を増やすかどうかも考慮にいれることが必要になってきます。いずれにしても労働のコストが上がることにはプラスマイナス両面があり、政府としても慎重にならざるを得ないでしょう。どうも長時間残業を減らす特効薬にはならないのではというのが経営側の言い分です。
休暇の時間単位での付与については、使用者側もそう強力には反対していない様子で、これはどうも実現するのではという印象を受けました。すでに、地方公務員などは時間単位の休暇が認められているようで、そうなったからといって必ずしも長期休暇が取りにくくなるということにはならないようです。