日本語教育推進法が成立しました

日本国内で暮らす外国人への日本語教育の充実を促す「日本語教育推進法」という法律が、6月20日、参院本会議で可決、成立しました。国や地方行政には日本語教育を進める責務、企業には外国人に教育機会を提供するよう努める責務があるということが明記されています。外国人の受け入れについては、この春、新しい在留資格「特定技能」が新設されました。従来の技能実習生もしかりでしたが、外国人の日本での生活には日本語の習得という大きな壁があり、この問題を埋めていこうという狙いがあります。

日本人にとっても、数千種類といわれる漢字の習得は簡単なことではありませんが、外国人にとっては大きなハンディになり、日本語を習得するエネルギーは、相当なものが要求されます。

複雑な漢字を学び、我々にとってもむずかしいとされる敬語を使いこなすことは、外国人にとって至難の業でしょう。日本語能力が不完全では、会社組織の中でコミュニケーションがうまくとれずに、もっている能力を充分に発揮できないことがあります。
また、職場にうまく溶け込めないなどの問題を抱え、結果的にモチベーションの低下やストレスの原因となる場合があるでしょう。彼らの母国語でコミュニケーションができれば最適ですが、日本語を使う場合も、わかりやすく、ゆっくりしゃべる、易しい表現で伝達するなどの配慮が必要です。

国や企業を挙げて、日本語の習得を支援していこうというこの法律の狙いが、少しでも実現することを願います。